会長メッセージ

ごあいさつ

会長 沖中重明(頌栄短期大学)

 

 

 本年度より全美協の会長を務めさせていただきます頌栄短期大学の沖中重明と申します。

会長職は、私のように歳を重ねるばかりで教育者としても研究者としても未熟な者にとって、あらためてこの務めに重責を感じております。先ずは加盟校諸先生方のお力添えをいただきながら、協議会の円滑な運営と造形美術教育の教員養成を通して造形美術教育の充実と発展という目標の実現に向かって微力ながら尽力させていただく所存でございます。

 さて、新学習指導要領に準拠した教科書の概要も明らかになってきました。学習指導要領は「総則」に記されるように教育現場で編成されるカリキュラムの基準、つまり教科の「目標」と「内容」の大綱をしめすものであったはずです。ところが新学習指導要領では教育の「方法」に関しても詳しく述べています。このことが教科書にも反映され、「自ら問いを立てて対話しながら考える要素」が盛り込まれたのは良いとしても、その方法にまで言及、解説したのでは真のアクティブ・ラーニングにはならないのではないかという懸念が生じます。造形美術教育では、個々の教員・保育者が工夫を凝らして創造的な授業を展開してきた歴史がありますが、これを画一的に「この方法でやりましょう」とするのは疑問です。「教育の質の保証」のための「方法」の明示だとすれば、これでは「何のために学ぶのか」という真の「目標」が霞んでしまわないかと思います。教科書は児童生徒にとって主体的で深い学びに入っていく道標であって歩き方を一歩ずつ規定するものではないはずです。教科書が「How to 本」にならないことを願っています。

私の勤務校でも「自ら保育を計画し実践できる保育者を育てる」ことが教員共通の目標です。「創造的に計画し行動する」ことは芸術表現そのものではありませんか。何故、造形美術教育が必要なのか、人生において仕事において「創造的に計画し行動する」能力を養うため造形美術を通して教育する “Education through Art”の視点は重要です。

本協議会が皆さんの実践や研究の交流の場となり、「自ら教育を計画し実践できる教員」の養成と未来の美術教育の進むべき道の開拓に結実することを切望いたしております。何卒よろしくお願い申し上げます。