会長メッセージ

ごあいさつ

会長 浅野 卓司(桜花学園大学)

 

 

コロナ禍における協同・協働

 

 この度、2021度全国造形美術教育教員養成協議会会長に就任いたしました桜花学園大学の淺野卓司と申します。530日に開催されました令和3年度総会(オンライン)でご承認いただきました新体制で臨んでまいりたいと思います。沖中重明前会長同様に、会員の皆様からのご支援ご協力を賜りたく存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、新型コロナの状況について本会報の執筆時では、一部の地域に限って緊急事態宣言が継続していることから、コロナ蔓延前と異なる授業をせざるを得なかったり、実習実施にも大変苦労されている地域もあるのではと想像します。教育・保育の営みは、言うまでもなく人と人との関係において成り立っているものであり、人流抑制のためのこうした自粛や活動中止は、実体験を伴う造形表現においては特に、活動が成り立たないと懸念されてきました。その一方で、ICT利活用による情報化促進や授業の工夫などが、SNSなどの様々な繋がりから生まれてきていると感じます。

 全美協会員による情報交換においても、大学・短大の授業をお聞きすることができましたが他者との交流による学びは、オンラインではまだまだ難しいように感じました。幼児教育段階や小学校以降の教育における学び合いは、「協働」として未来の世界を切り開く学び方として示されています。新型コロナによる世界的パンデミックの中、こうした「協働」に必要な信頼性や科学的根拠をもとにした団結力こそが、危機を乗り越えるためには重要であることを、世界的歴史学者・哲学者であるユヴァル・ノア・ハラリ氏は示唆しています。

 「協働」と「協同」は、同義に用いられる場合があります。英語に翻訳すると「Cooperation」や「Collaboration」です。「Cooperation」は、足りないものを補いながら協力することを、「Collaboration」は、2つのものを掛け合わせて新しいものを生み出す、掛け合わせた結果が新しいものをつくることを意味します。

 コロナによるパンデミックが終息を迎えた際に訪れる世界では、失われたものをお互いに補ったり、新しい価値を位置づけるといった捉え方が一層求められるのかもしれません。