会長メッセージ

「全美協」の役割り

会長 三澤一実(武蔵野美術大学)

 

 H29年度より会長を務めさせていただきます武蔵野美術大学三澤一実です。ご挨拶を申し上げます。

 

 平成27年3月に告示となった新学習指導要領では今後10年の教育の方向が示されましたが、これに先立ち、平成28年12月21日に発表された「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」では、来たるべき今後の社会構造が興味深く語られています。

 今回の答申では、前回の「知識基盤社会」という考え方を踏襲しながら、情報化やグローバル化といった社会的変化が、人間の予測を超えて進展するようになってきたと述べています。特に、今後インターネットや人工知能の進化によって訪れるであろう「最適化」の社会に進みつつあり、その変化への対応と、一方では人工知能がいかに進化しても担えない人の感性や、創造の教育の大切さが語られています。

 このような感性や創造性の教育は造形美術教育だけが担うものではありませんが、身体性を切り離せない感性の育成においては芸術教育の果たす役割の大きさは誰もが認めるところであります。

 全美協としては、感性教育を担う造形美術科教員や保育士の養成を時代の要請と捉え、より一層の充実が社会から求められていると自覚しなくてはなりません。そのためにも、私たちは自らの教育の検証と創造に直ちに着手する必要があると考えています。そのような観点から、本協議会に求められている役割は、会員相互の教育実践の交流と充実、そして新たな教育の提案にあると感じております。未来の教育者を育成すべく学生に必要な知識を注ぐと共に、その知識を活用して未来の教育のあり方を模索し創造できる教員及び保育士の育成が喫緊の課題なのです。

 

 本協議会は全国の教員及び保育士養成課程設置校のうち、「日本教育大学協会全国美術部門(教大協)」に属さない国・公・私立の造形美術教員及び保育士養成大学からなる機関組織です。

 国立大学には「日本教育大学協会全国美術部門(教大協)」が組織されていますが、そこに属さない教員・保育者養成課程を有する大学・短期大学は、現在、およそ360機関あります。これらの大学・短期大学で資格課程に関わる造形表現・図画工作・美術教育等の科目を担当する専任教員及び非常勤教員によって本協議会は組織されています。特に、造形美術教育に関わる教員養成系の私立大学・短期大学の全国組織はこの組織しかないのです。 

 そして、本協議会の目的は、全国の大学における造形美術教育に関わる教員養成の充実をはかり、大学はもちろんのこと、保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校など様々な教育現場における造形美術教育の振興・発展に寄与することです。全美協は教大協と造形美術教育の振興という共通の目的のもとに、「大学造形教育連絡協議会」を組織しています。

 

 平成29年度と30年度は、関東地区の会員が事務局を担当させていただきます。全美協は会員の皆様の情報交換を密にし、各会員の実践が対話を通して検証され、よりよい実践に昇華していく様な組織を目指して行きたいと存じます。

 本協議会の運営に皆様のご理解とご協力をいただきたく、何卒宜しくお願い申し上げます。